中国のウクライナ戦争仲裁提案の意味と、混乱するパキスタン情勢
1. 中国の王毅外交トップの訪ロと中国のウクライナ戦争仲裁提案の意味
2月24日、ロシアによるウクライナ侵略から1年を迎えた。世界のマスメディアはこぞって、当該事案を様々な角度から取り上げたが、ウクライナ戦争を巡っては、中国の裏面動向が顕著である点を見逃してはならない。以下は、中東のロシア情報筋等が注目した直近の中国関連動向である。
(1) 中国外交担当トップである王毅氏は、ロシア訪問中の21日、プーチン大統領の側近であるパトルシェフ安全保障議会書記とモスクワで会談した(22日にはモスクワで、プーチン大統領やラブロフ外相と会談)。 パトルイシェフ書記との会談で取り上げられた主要点は、王氏の「中ロ関係は“盤石”であり、変化する国際情勢の中でいかなる試練にも耐えうる」とした点である。中国側の目的は、表だったマスコミ報道とは異なり、今回の会談で「実はロシアと距離を置きつつも、ウクライナ戦争における仲裁への影響力行使の足がかりとする」ことだった。前出の会談で王氏は、「中ロは安全保障確保に向け新たな共同歩調を取るべきだ」としつつも、詳細への言及は避けたことを見ても、実際の距離感が見て取れる・・・・・
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2023年2月27日