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中国の中東戦略、米中堅銀行シリコンバレーバンク(SVB)経営破綻に見る今後の危険予兆など

1. サウジアラビア・イラン両国間の外交関係の修復合意を仲介した中国の役割

3月10日、サウジアラビアとイラン両国は、外交関係を再修復するための合意に署名した。その合意の主要点は、2か月を超えない期間内に大使館の相互設置と代表団や使節団の相互交流を再開することとし、国家主権の尊重と内政不干渉を確認するものであった。また、両国は2001年に署名された安全保障協力協定、及び貿易、経済、投資に関するこれまでの協定を再度修復し、有効化することにも合意した。

この合意成立で注目された点は、「中国の仲介工作」である。中国は、これまで両国間の仲介を担ってきたイラクやオマーンが成し得なかった「外交協定の仲介」に成功したということである。

これまで中東世界で大きな影響力を有してきた米国ではなく、サウジアラビアとイラン双方に良好な関係を維持してきた中国の役割が効を奏したと言え、このことは、中国が、ペルシャ湾岸諸国のみならず中東世界で世界の大国としての位置付けをも確立したことを意味し、これらが相まって「中国の威信」をより高めることにもつながったと言える・・・・・

 

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2023年3月20日

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