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2025年の主要な国際情勢の包括的戦略評価(Ⅰ)、混迷深めるタイ・カンボジア情勢の行方、及びトランプ米政権による入国査証厳格化の動き等

1. 2025年の主要な国際情勢の包括的戦略評価(Ⅰ)

2025年の複雑、多様で不確実性をもたらした国際情勢の包括的な戦略評価において、全てのグローバルな課題に共通する中心的な要素は、米国のトランプ政権の政策に起因している。

過去一年に示されたように、トランプ米大統領は、予測可能な動きと、主として予想外の動きを通じて、諸展開の方向性を決定付けており、そのトランプ米大統領の行動を何よりも特徴付けるものは、一言で要約するとその「変動性」に尽きる。

トランプ米大統領は、あらゆる領域で一方の極端な路線から矛盾するもう一方へと移行し、他のプレーヤーを絶え間ない不確実性の状態に置いている。例えば中東では、同地域への関心の欠如を示しつつ、アメリカの利益を他地域へ集中させるために関与を解消しようとする姿勢と、イランの核関連拠点に対する前例のない初めての攻撃とが対照を成している。

同様にウクライナ戦争についても、8月のロシアのプーチン大統領とのアラスカ・サミットやフロリダでのロシア側との交渉において、ほぼ全面的なロシア側の立場を採用したことから、その後のプーチン大統領との接触におけるウクライナの立場への大幅な転換を行ない、あるいはその一方で、ロシアに対する壊滅的な経済制裁の脅威を発表しながら、ウクライナ・欧州の安全保障上の死活的利益を放棄し、ロシアとの商業的な米国利益面に広範にわたる焦点を置く対応へと移るなど、相反する動きが示されている・・・・・

 

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2025年12月15日

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