2025年の主要な国際情勢の包括的戦略評価(Ⅱ)及び台湾における無差別襲撃事件
1. 2025年の主要な国際情勢の包括的戦略評価(Ⅱ)
(1) 米中関係(貿易及び地政学視点)
2025年、米中両国間の緊張は大幅に高まり、その主因は貿易戦争の再燃と戦略的な競争であった。
トランプ米大統領は就任後まもなく、中国に対する強硬な公約を履行に移した。2025年2月から4月に
かけて、米国と中国は現代史上例を見ない規模で、相互に報復関税の応酬を行なった。
トランプ米大統領は「解放の日(Liberation Day)」関税を発表し、全米輸入品に10%の基礎関税を設定、
特定国にはより高い税率を課し、とりわけ中国製品には4月9日発効の34%関税を課した。
中国も独自の関税措置で報復し、双方の応酬は急速に加速し、4月初旬には米国が中国製品への関税を
84%に引き上げ、さらに125%まで引き上げた一方、中国も米国製品に100%超の関税で対応した。
この極端なエスカレーションは、二国間貿易を急停止させ、世界市場を翻弄、動揺させた。企業及び同盟国
の圧力を受け、米中交渉団は緊急協議を実施。5月10~12日にジュネーブで90日間の一時休戦が成立
し、新たな関税の停止と税率の部分的引き下げに合意した。
米国の関税は145%から30%に、中国は125%から10%に引き下げられ、4月以降に導入された各種
非関税措置も停止された。この休戦は一定の緩和となったものの、高率関税は依然として存続した・・・・・
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2025年12月22日
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