2023年の回顧と展望 -「米中対立」構造の中で、行く先が見通せない世界の現況と地政学リスクの高まりが顕著-
今年もあと1週間で終了し、新たな年を迎える。この1年を顧みて、国際情勢で注目すべき事案について、識者意見の圧倒数は、「米中二大国の対立」であり、そして2つの戦争事案、「ロシアのウクライナ侵略」と「イスラエルとイスラム過激主義組織ハマスとの対立」である。
幾多の混乱をもたらす事案が生じた1年であり、その事案が更なる困難を増す国際情勢を生み出した中で、特に注目すべきこれらを中心としてこの一年間を顧みつつ、新年に向けた展望をお届けする。
1.現況二大国の「米国・中国」対立の影響
「米中両大国の対立」については、全面的な対立として捉えられがちだが、「両者対立」の側面を見ると、むしろ、それぞれが相手国の状況を見ながら自国有利に資する状況を導き出しつつ、「利用し合った」感が否めない。例えば、地政学的な面からも大きく取り上げられる米国の「中国を念頭に置いたインド太平洋地域の重視策」には北朝鮮への対応も内包するが、長引くロシアのウクライナへの侵略戦争に対する中国の対ロシア支援と連携が確認されている点や・・・・・
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2023年12月25日