追い込まれたロシア政権の諸政策の危険性と今後等 ~ロシア・プーチン大統領に「裏目」となったか、「9.15中ロ首脳会談」~
プーチン・ロシア大統領の22年余にわたる長期執政(大統領→首相→大統領)は、3期連任を狙う習近平・中国国家主席にとっても「ロールモデル」であり、国際秩序の再編や台湾問題での連携という意味でも習近平主席(以下両名共敬称略)にとって、プーチンは心強い存在であった。しかし、プーチンのウクライナ侵攻という暴挙によって、国際社会の反ロ感情の高まりや、ロシアの軍事力の実態(弱いロシア軍と質の悪いロシア製兵器)が露見されるなど、ロシアと連携する負の影響が大きくなったことから、習近平としてもプーチンと一定の距離を置かざるを得なくなったと言える。また、最近のウクライナ軍の領土奪還とロシア軍の撤退という状況の中で、習近平としてもプーチン支持に「前のめり」になることに躊躇し始めているのではないか。
2月に開催された「北京オリンピック」で各国が五輪ボイコットする中、プーチンの訪中と首脳会談実施は、習近平にとって極めて大きなプレゼントであった。当時は12回にも及ぶ「戦略的」な文言を用いながら「上限なき戦略的パートナシップ」をアピールし、会談後の共同声明が発表された。しかしながら、9月15日にウズベキスタン・サマルカンドで開催された上海協力機構の首脳会議(対面式会見)では、「戦略的」との文言は僅か2回しか使われず、しかも、同会談では「共同声明」を出されないまま終了した・・・・・
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2022年9月26日
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