米国の中国ＡＩ産業対応措置がもたらす影響
１． 習近平国家主席の対米政策における今後の注目点
習近平政権の３期目を左右する重要な要素は、対米関係である。習近平国家主席は、党大会再選後、 「中国は両国の利益のために米国と協力する用意がある」と宣言した。しかし実際には、米中両国間の緊張はここ数か月かなり高まっており、首脳会談後と言えども、安心して見過ごせる状況ではない。
このことは、投資家の不確実感を高め、市場を更に悪化させるおそれも否定できない。
米中対立によって、お互いの部品や市場を利用し合っている米中両国の企業内では、抜本的な戦略的変化が起きつつある。それを端的に表しているのが、バイデン米政権が１０月７日に発表した中国への先端マイクロチップの販売禁止という異例の措置である。これは、重要技術を中国に利用させないことを目的とした措置であり、具体的には、核爆発モデルや極超音速兵器の誘導にスーパーコンピューターを使用する中国の軍事計画の進行を遅らせることを主な目的としている・・・・・
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2022年11月21日