他岸の烽火ではない世界で拡大する抗議デモ・反政府デモ、全方位外交を堅持するインド・モディ首相の外交戦略、及び米国大統領よる「アンティファ(Antifa)」の重要テロ組織指定
1. 他岸の烽火ではない世界で拡大する抗議デモ・反政府デモ
“他岸の烽火”ではない世界で注目される抗議デモ、反政府デモが拡大する兆候がある。それは、トランプ米政権が主導する米国の関税政策が、世界に“不確実性”要因をもたらし、諸国の政治・社会・経済の不安定感を一般民衆の実体経済に加速させているからかもしれない。
その背景には、複雑な要因が各国に内在する場合もあれば、外国の極右主義や、反移民、反ユダヤ主義、そしてパレスチナ支援などの国際社会の政治的な意向が、インフルエンサーによるSNS等を通じて瞬く間に世界に周知される場合もある。今後、その潮流が、どこにどのように進むかは、注視しておく必要がある。
先ず、東南アジアの中で最大の2億8,444万人の人口を抱え、実質GDP成長率が5.0を超える成長著しいインドネシアで抗議デモが始まった。8月25日以降、同国では、抗議デモが暴動に発展する事態に至り、デモは全土に拡散し、プラボウォ大統領の訪中は短縮、日本訪問は中止となる事態となった。
その端緒は、「国会議員に支給されている住宅手当が月額5,000万ルピア(約45万円)に増額」されることであった。これにより議員手当の年間総額は、ジャカルタの年間最低賃金の約10倍に相当することになり、過剰な手当であるとする民衆の抗議デモは警察部隊との衝突に発展、その波が首都ジャカルタから、東部ジャワ、西ジャワに拡大し、全土で汚職や経済格差に対する住民の日常の不満が一挙に爆発している様相をうかがわせ、政府は労働組合、学生団体等との話し合いを開始するなど、事態の収束に向けた交渉による解決を進めているが、国民の政治不信には、根強いものがあり、今後の情勢変化に注意を要する・・・・・
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2025年9月22日
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