フィンランド、スウェーデンのNATO加盟が及ぼすロシアへの影響など
5月9日は、ロシアにおいて第2次世界大戦の「対ドイツ戦勝記念日」を祝うべき重要な日として注目された。ロシアによるウクライナ侵略の真っ最中の当日に行なわれたプーチン大統領の「戦勝記念日の式典」演説に対し、欧米を主とする海外メディアは、「プーチン政権にとって祝うべき勝利はなかった」と評価した。
当該演説から読み取れたのは、戦争の勝利と終結宣言でもなければ、国民の軍事動員や核兵器の使用をほのめかすことでもなく、「軍と国民を鼓舞するが、大きな政策の変更は発表しない」という内容であった。
これは、プーチン大統領が、「いかに行き詰まっているか」ということを示している証左とも言える。
このような状況下で、第二次世界大戦後、資本主義体制を維持したまま共産化もワルシャワ条約機構への加盟も強いられず、旧ソ連からロシアへ移行する中においても同国へ配慮しながら、中立国として国際的立場を維持したフィンランドとその隣国スウェーデンが、NATOへの正式加盟の姿勢を打ち出した。
1.フィンランド、スウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟へ始動
フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は12日に共同声明で、「フィンランドはNATO加盟を遅滞なく申請すべきだ」と宣言した。ニーニスト大統領は14日、ロシアのプーチン大統領にNATOへの加盟方針を通告し、15日にフィンランド政府はNATOに加盟申請する方針を正式決定した・・・・・
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2022年5月16日