スーダン危機における地域リスクの潜在的影響の実相、及び米国で続く銃乱射事件の状況等
1. スーダン危機における地域リスクの潜在的影響の実相
(概況)
航空自衛隊機派遣による邦人退避が完了したアフリカ北東部のスーダン情勢は、4月15日以来、2人のそれぞれ異なるスーダン軍司令官に忠誠を誓う軍内部の対立に起因した激しい戦闘の場となっている。
一人目は、2019年に国軍がクーデターを起こし、以降暫定統治を続け、民主化勢力と共同統治を目指していた国軍(SAF)のトップにいるブルハン司令官であり、もう一人は2021年10月に文民政府を打倒した ムハンマド・ハムダン・ダガロ司令官(別名ヘメディ)で、国軍に匹敵する兵力を有する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の指揮官である。
RSFは、ダルフール紛争(スーダン西部のダルフール地方でアラブ系住民と非アラブ系住民の対立)中に、彼の指揮下で残虐行為を行なったスーダンのアラブ民兵組織、ジャンジャウィード出身のダガロ司令官によって結成された。その後、ダガロ司令官は、国際刑事裁判所から戦争犯罪、人類とジェノサイドの諸犯罪に対する罪で起訴されている。同人は、アラブ首長国(UAE)がイエメンのフーシ派との戦闘に、数千人ものRSF外人部隊を派遣するための軍資金の提供を受け(2018年)、また同国におけるUAEによる金鉱の採掘と農業事業等を通じて、タガロ指揮下のRSFをスーダン国軍よりも強力な軍事力を有する組織に発展させた・・・・・
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2023年5月15日