インド・カナダ両国間の対立悪化、EUとアジアを繋ぐ「新たな回廊」の意味するもの及び、 世界的テロ組織の現況と今後の見通し等
1. 「G20」メンバー国のインド・カナダ両国間の対立悪化、査証発行停止
対立の発端は、本年6月18日にカナダ西部ブリティシュコロンビア州バンクーバー郊外にあるシーク教(インド北部パンジャブ州に総本山、全世界に2,400万人の信徒数)寺院の駐車場で、2人組がシーク教指導者ハーディブ・シン・ニジャール師を殺害し、犯人は現時点まで拘束されていないという事件である。
この事件に関して、カナダのトルドー首相が議会で9月18日、「ニジャール師死亡とインド政府の関係を示唆する可能性がある」との報告を行なったことから、インド政府がこれを強く否定し、反発している。
両国は貿易、安全保障で協力関係を有し、米国が主導する対中国、ロシア外交政策でも協力関係にあるが、この事件以降、その関係は悪化の一途を辿っている。特に9月にインドで開催された「G20首脳会議」でトルドー首相とインドのモディ首相が対面した際にも、ニジャール師の殺害事件について厳しいやり取りが行なわれ、双方が対立したままで、両国外交官の国外退去措置や査証発行停止などの強硬措置が、両国関係を更に悪化させる事態に及んでいる・・・・・
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2023年9月25日
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