イスラエル・サウジアラビア両国関係、“シャングリラ会合”での注目点及び未だに蠢動する 直近のIS組織等
1. イスラエル・ガザ戦争におけるイスラエルとサウジアラビアとの関連動向
イスラエルは5月30日、5月に本格的に開始したパレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファでの軍事作戦で、イスラム組織ハマスのメンバー約300人を殺害したと発表した。
ラファにおける「イスラエル軍事作戦」は、ハマスへの圧力を強めているが、同時にイスラエルに対する国際社会からの厳しい非難の圧力も更に強まっている事実も見逃せない。イスラエルの国際的な孤立が増すことは、ネタニヤフ首相主導の戦時内閣の戦術的妥協すなわち、パレスチナへの譲歩が強まることを意味する。結果的にそのような選択はないものの、国際社会がイスラエルに対してこのまま批判的な対応を示し続ければ、むしろ紛争の延長と、エスカレート、引いてはレバノン戦線拡大に繋がることは否定できず、これらの状況を考慮すると、イスラエルとサウジアラビア、引いてはイランとの関係を見逃してはならない。
サウジアラビアは、2023年3月に中国の仲介でイランとの外交関係の正常化に関する協定を実現したが、同国の事実上の支配者であり、中東で大きな影響力を持つムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相は、イランと中国の関係に懐疑的な考え方を持っており、サウジアラビアの今後の戦略と現況に注意する必要がある・・・・・
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2024年6月3日
« 「頼・台湾総統」就任に対する中国の過剰反応及び、イランのライシ大統領と外相ら主要閣僚の 死去に伴う同国の内外政策変化の可能性