「イスラエルによるイラン核施設への攻撃の可能性」はフェイクか否か、及びトランプ米大統領のGCC湾岸諸国歴訪は「大成功であったのか」、中東情勢の展望等
1. 「イスラエルによるイラン核施設への攻撃の可能性」はフェイクか否か
一般的な評価では、イスラエルによるイラン核施設への攻撃はトランプ米大統領による拒否権のために実現性が低いとされているが、5月28日付『ニューヨーク・タイムズ』によると、イスラエルはすでに攻撃に向けた非常に高い即応態勢にあり、命令から7時間以内に攻撃が実行可能とされる。
イスラエルはアメリカの承認(グリーンライト)なしに、すなわちトランプ米大統領の意思に反してでも対イラン核施設攻撃を行うことを真剣に検討しているという衝撃的な報道である。
イスラエルは、イランの濃縮能力を含む「核兵器製造の一歩手前の段階」の状態に留め置くとされる米国・イラン両国の直接交渉による核合意の可能性に強い懸念を抱いている。現在、イランの核計画は、公然のものとなっており、たとえ一方的であったとしても、イスラエルにとってはイランの核開発施設に対する破壊攻撃の「絶好の機会」と捉えられている。さらに、イスラエル指導部は、たとえアメリカの意思に反して対イラン攻撃が実行された場合でも、トランプ米政権はイスラエルの攻撃開始後のいずれかの段階で攻撃に参画せざるを得なくなる状況に追い込まれるか、最低限でもイランのミサイル報復攻撃に対するイスラエルの防衛支援に動かざるを得ないと見ている・・・・・
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2025年6月2日
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