中国国内の「危険市民」報告奨励にみる習政権の狙い、及び北欧諸国での 極右による反イスラム・移民・難民関連の動きと、反ユダヤ関連の事件
1.中国国内の「危険市民」報告奨励にみる習政権の狙い
中国の習近平第3期政権は、今年、折り返し地点を迎え、2027年の次回党大会に向けた水面下での準備を加速させている。
習近平主席は、2012年の政権発足以来、徐々に盤石さを増し、集団指導体制や、2期10年ごとの指導者世代交代などの慣習を逐一打ち破り、異例の3期目を達成した。もはや盤石な「習近平の天下」であると見る向きもあるが、国内には政敵をはじめとする「反対勢力」が存在するわけであり、それと併せて、習近平主席が一番恐れる「民主化を求める市民運動」の芽を摘み取る意味から示されたのが、今回の市民への取り締まり強化である。
これに伴って中国国内では、市民に対する徹底した監視と、危険人物の報告を奨励する動きが顕著になっている。中国では、これまで“国家の安全と利益”を標榜した「反スパイ法」が2014年に施行され、以後、2017年に「国家情報法」と「インターネット安全法」が、2021年には「データセキュリティ法」と「個人情報保護法」を施行、今年の1月1日からは、「ネットワークデータ安全管理条例」が施行されたばかりである。
特に、昨年、中国で無差別殺傷事件が相次ぎ、中国国内の治安の乱れが目に余る状況であったことから、習近平指導部は大きな危機感を抱き、市民社会の監視を徹底したとも言われる・・・・・
※このWeekly Reportは会員様専用(ご契約者様)に配信しております。
2025年2月3日
« トランプ米大統領2期目就任直後に発出された「大統領令」の狙いとその影響、及びイエメンの親イラン武装組織「フーシ派」による紅海での米英国船舶に対する攻撃中止の動き